学会の感想の続き。
機能的反応と数の反応を混同している発表している人が複数人かいました。
機能的反応(functional response)とは、獲物の密度に応じて、捕食者が獲物を獲得する「効率」が変化することで、数の反応(numerical response)とは、増殖や集合などによって捕食者の「密度」が変化することです。前者はその関数形によって、タイプI~IIIに分類されています。後者も、繁殖や死亡を介した人口学的反応(demographic response)と移出入を介した集合的反応(aggregational response)に分けられます。
誤った使用例として、獲物の密度に応じて、捕食者が標的とする獲物を「スイッチ」することを機能的反応、獲物の「捕獲効率」が変化することを数の反応(実際は機能的反応)と説明している人がいました(ハリガネムシの某さんとか)。注意しましょう。
機能的反応と数の反応に関する古典論文です。
Solomon (1949) The natural control of animal populations. J Anim Ecol 18: 1-35.
人口学的反応と集合的反応については以下の論文は必読です。
Takimoto et al. (2009) Timescale hierarchy determines the indirect effects of fluctuating subsidy inputs on in situ resources. Am Nat 173: 200-211.
新しい話をOHP論文と名付け、文献を漁ってみました。実証研究では最近に幾つかあって、まだその分野の発展が期待されていること、数理モデルはまだ提唱されていないこと、などを確認しました。モデルの解析はそれほど難しくなさそうなのですが、幾つかの場合分けが必要なようです。
某事務書類を一つ片付けました。
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