Tuesday, October 2, 2012

手強い相手も落とす文章術

Yahooニュースの雑誌コラムで面白そうなシリーズがありましたので、抜粋してみました。論文を書くときに参考になりそうなアイディアが幾つかあります。実際に自分も実践していることもありました。詳細をちょっと読んだところで学び得るものはないと思いますが(実践しましょう)、自分にとっては「あー、あるある」という感じで面白かったので。

1.書き出し~具体的な相手を想定する
自分の場合、M院生が読むことを想定しています。つまり、一般的な生態学の知識があれば理解できるというレベル。モデルにしても、実験にしても。それ以上を想定して、表現(内容ではなく)が専門的になり過ぎると、分野外のレフリーに理解してもらえないリスクがあるかもしれないから。これは下の伝え方・表現方法に関連しています。

2.個性~人の文章を徹底的に真似る
これも実践しています。自分の場合、グーグルすカラーを利用しています。例えば、「栄養段階が一つ上がると窒素同位体比が3‰上昇する」と英語で書きたいとき、"nitrogen stable isotope ratio", "3 %", "trophic level"とかで検索すれば、他の人がどのように表現しているのか、英文法が正しいのかを知ることができます。前後の文脈をチェックすることは忘れずに。

3.構成~接続詞のない文章を書いてみる
自分の場合、各段落で何を言いたいのか構成を作って、各段落の内容を一文に凝縮させて、leading sentenceとして各段落の最初に置くことを基本方針としています。よく言われていることと思います。これを利用すると、最初の1、2文(+最後のclosing sentence)を読み繋げていけば、論文が主張する論理のだいたいを理解できたりします。セミナーの論文紹介や輪読で他の人が発表する場合、前もって全文を読むのが難しい場合はこれをやります。

4.数字・図~文章による箇条書きが先と心得る
これはプレゼンを作るときに意識しています。図表ありきでスピーチの内容を考えるのではなく、スピーチの内容を考えてから図を選択する感じです。

5.視点~「伝える」と「伝わる」は違う
論文を書く場合、下にある表現方法に近いでしょうか。

6.仮説~本番の前にレポートを書いてしまう
自分も、結果の前にイントロやメソッドを書く場合が多いです。メソッドまで書いて解析していない原稿が幾つかあります。やらなければ。

7.表現~言葉を砕く、身近なもので比べる
数式やパラメーターではなく、生態学の言葉で記述する。分かりにくそうな表現にはFor example, ..."と追加説明をすることを心がけています。あと直訳英語は長くて、書き手は伝えたつもりでも、読み手にとって解読困難になるので、短い言葉で表現できないか常に考えています。

8.本の読み方~古典は背景や文脈も一緒に押さえる
あまり古典論文を引用しないのでよくわからないです。

9.アウトプット~1万時間=クリティカルマスを超える
1万時間に達したかわかりませんが、確かにちょっと前に論文を書く感覚が変わったような気がします。書くことが苦痛でなくなりました(でもこれはちょっと違う域値に達したのかもしれません)。良い文章を書けていると言う自覚は、少しは持てるようになりましたが、まだまだ不十分という自覚もあります。良い文章か悪い文章か判断できるようになった程度のレベルなのかもしれません。少なくともあと数年で1万時間は越えるでしょうか。

10.熟成時間~3日寝かせ、いったん忘れて推敲する
寝かせないという人もいましたが、その人はとても良い文章を書きます。でも、自分の場合やっぱり寝かせます。それで、何も知らない他人になったつもりで読みます。寝かせないと、「何も知らない他人になったつもりで」というのが難しくて。結局、何度も熟成させてしまいます。

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